食べ物に困らない時代なのに、なぜ?
今は食べ物に困らない時代のはず。コンビニに行けば何でも手に入るし、外食だってすぐできる。
なのに最近、”栄養失調”という言葉をよく見かけるようになった気がする。そう聞くと、ちょっと不思議に思わないだろうか。
実はこの矛盾、多くの現代人にとって他人事じゃないかもしれない。
実は私自身、栄養失調だったのかもしれない
以前の私は、野菜ジュースや青汁を飲んで「健康に気を使っている」つもりだった。ただ、タンパク質はそれほど意識しておらず、早く簡単に用意できる食事を優先していたから、今思えば糖質中心の食生活だったと思う。
でも実際は、しょっちゅう体調を崩していて、内科や耳鼻科に通うことも少なくなかった。子供の風邪もよくうつっていた。
今思えば、「なんとなく体に良さそうなもの」を摂っているだけで、自分の体に本当に必要な栄養が何なのかを知らなかったんだと思う。栄養素が足りていないなんて、当時は考えもしなかった。

遠回りしすぎて、今振り返ると自分でもあきれるくらいだよ。
同じように「気を付けているつもりなのに不調が続く」という人は、意外と多いんじゃないかな。
“新型栄養失調”ってなに?
新型栄養失調とは、総摂取エネルギー量は足りているのに、タンパク質やビタミン、ミネラルといった特定の栄養素が不足している状態のことを指す言葉として使われている。
1日3食しっかり食べていても、食事の中身にばらつきが出ることが引き金になって起こることがあるとされる。
つまり「お腹いっぱい食べているのに、中身が足りていない」という状態が起こりうる、ということ。見た目の体格が良くても栄養が不足している、いわゆる”かくれ低栄養”と呼ばれるケースもあると言われている。
どんな人がなりやすいの?
年代によって、なりやすい原因のパターンが違う傾向がある。
- 高齢者:麺類やお茶漬けなどさっぱりしたものだけで済ませがちだったり、噛む力の低下で硬いものを避けたりして、栄養が偏りやすい
- 若い女性:自己流の食事制限ダイエットや、同じようなメニューが続く食生活が原因になりやすい
- 中年世代:忙しさから食事が単調になったり、外食・中食に偏ったりしやすい
特にタンパク質やミネラルが不足しやすい傾向があり、不足が続くと体の不調につながることがあるとされる。
実は”糖質”に寄りがちな食生活
コンビニのおにぎりやパン、麺類は手軽で美味しいし、忙しい時にはついそれだけで済ませてしまいがち。
こういうメニューが続くと、意識しないとタンパク質やビタミン・ミネラルが不足しやすい食事になりがちなようだ。「お腹はふくれているのに、栄養素は足りていない」という状態は、こういう食生活の積み重ねから起こりやすいのかもしれない。
こんな症状、心当たりない?
新型栄養失調に関連して挙げられることが多い体調の変化には、次のようなものがある。
- なんとなく疲れが抜けない、だるさが続く
- 風邪をひきやすい、体調を崩しやすい
- 肌荒れや爪が割れやすいなど、見た目の変化が気になる
- 集中力が続かない、やる気が出にくい
もちろんこれらは他の原因でも起こりうる症状なので、あくまで「食生活を見直すきっかけの一つ」として捉えてもらえたらと思う。
分子栄養学的に、どう補っていく?
以前「分子栄養学」って知っていますかの記事で書いた通り、私自身「知識としては知っていること」と「実際に自分の体で試行錯誤してみること」には、また違う気づきがあった。
サプリメントを摂った方がいいのかな、となんとなく思っていたけど、何をどれだけ摂ればいいのかわからなかった時期が長かった。そんな時に藤川徳美氏の書籍に出会い、少しずつわかるようになってきた。プロテインを意識して摂るようになったのも、その頃からだ。ただ鉄については、サプリだと摂りすぎた場合に体に蓄積されやすいという面もあるようなので、今は鉄玉子(南部鉄器)を入れて沸かしたお湯を飲むことで、無理なく少しずつ補うようにしている。
そして今、抗酸化についても同じように考え方が変わってきた。我慢してストレスになるくらいなら、やめずに抗酸化物質を積極的にとることを意識すれば大丈夫だと思えるようになった。
大事なのは、「カロリーが足りているか」だけでなく「必要な栄養素がちゃんと摂れているか」という視点を持つことだと思う。
ここまで、「分子栄養学」って知っていますかをきっかけに、脂溶性ビタミンA・D・Eや水溶性ビタミンB・C、鉄・亜鉛・マグネシウムなどのミネラル、そして活性酸素と抗酸化の話をしてきたけど、結局のところ大事なのは「特定の栄養素だけ」じゃなくて、日々の食事全体でバランスよく摂れているかどうかなんだと思う。
その上で意識したいのが、糖質中心の食事から一歩踏み出して、タンパク質を優先的に考えるという視点だと思う。主食だけで済ませず、卵や肉・魚・大豆製品などをプラスワンで足していくイメージ。
たとえばタンパク質なら肉・魚・卵・大豆製品、ビタミン・ミネラルなら野菜や果物を「量」も意識して摂る、といったところから見直せると良さそう。

あの時の自分に「まず栄養、見直してみて」って言ってあげたいな。
もし「最近なんとなく不調が続くけど原因がわからない」と感じているなら、一度自分の食生活を振り返ってみるきっかけにしてもらえたら嬉しい。栄養素の過不足が気になる場合は、自己判断せず医師などの専門家にご相談ください。
【この記事を書いた人】栄養士 ももも/アラフォー・ブログ初心者。野菜・食品の栄養やレシピを中心に、日々試行錯誤しながら発信しています。 Instagramでも野菜やビタミンの話を発信中です→momomo.blog
